簿記3級|消費税(税抜方式)の仕訳と未払消費税

「仮払消費税と仮受消費税、どちらを借方に書くのかが毎回あやふやになる」「決算整理で差額を出したあと、未払消費税なのか未収消費税なのかで手が止まる」——第3問の決算整理でよく聞く悩みです。

消費税は、期中は預かった分と支払った分を別々の勘定でためておき、決算日に相殺して差額を納付額として確定させるという流れさえつかめば、判断がぶれなくなります。この記事では期中の仕訳から決算整理までを、数値付きの例題で順番に確認します。

税抜方式の考え方

簿記3級で扱うのは税抜方式です。税抜方式では、売上や仕入の金額に消費税を含めず、消費税部分だけを専用の勘定に分けて記録します。

会社は、商品を売ったときにお客様から消費税を預かり、仕入れたときに仕入先へ消費税を支払っています。預かった分から支払った分を引いた残りが、後日国に納める金額です。この関係を勘定にしたものが次の3つです。

勘定科目分類意味
仮払消費税資産(借方)仕入などで支払った消費税
仮受消費税負債(貸方)売上などで預かった消費税
未払消費税負債(貸方)決算で確定した納付額

仮払消費税と仮受消費税は決算日に必ず相殺し、残高をゼロにする点をおさえておきましょう。

期中の仕訳:仕入時と売上時

まず、期中に取引が発生したときの仕訳を確認します。消費税率は10%とします。

例1)商品を300,000円(税抜)で仕入れ、消費税10%とともに代金は掛けとした。

例2)商品を500,000円(税抜)で売り上げ、消費税10%とともに代金は掛けとした。

いずれも、仕入・売上には税抜の金額だけを計上し、消費税は別勘定に切り離します。買掛金・売掛金は実際にやり取りする税込の金額になる点に注意してください。

税込金額しか示されていないときの逆算

問題文が「税込330,000円で仕入れた」のように税込金額で与えられることもあります。その場合は1.1で割って税抜金額を求めます。

「税込金額 × 10%」と計算すると誤った金額になります。税込金額はすでに110%分にあたるため、先に1.1で割る手順を守りましょう。

決算整理:相殺して未払消費税を計上する

決算日には、期中にたまった仮受消費税と仮払消費税を相殺します。仮受消費税は貸方残高なので借方に、仮払消費税は借方残高なので貸方に書いて消し、差額を未払消費税とします。

例3)決算整理前の試算表に、仮払消費税184,000円(借方)と仮受消費税312,000円(貸方)が計上されている。税抜方式により未払消費税を計上する。

  1. 納付額:312,000円 − 184,000円 = 128,000円
  2. 仕訳:(借)仮受消費税 312,000円 /(貸)仮払消費税 184,000円/未払消費税 128,000円

借方合計312,000円と貸方合計312,000円(184,000円 + 128,000円)が一致します。この後、仮払消費税・仮受消費税の残高はどちらもゼロになります。

仮払が仮受より多いとき:未収消費税

支払った消費税のほうが多い場合、差額は国から還付を受ける権利となるため、未収消費税(資産)で処理します。

例4)決算整理前の試算表に、仮払消費税145,000円(借方)と仮受消費税96,000円(貸方)が計上されている。

「預かった分が多ければ納める(未払)、支払った分が多ければ返してもらう(未収)」と、お金の向きで判断すると迷いません。

精算表・財務諸表での表示

精算表では、仮払消費税と仮受消費税の行は修正記入欄で残高が消えるため、損益計算書欄・貸借対照表欄はどちらも空欄になります。ここに金額を書き写してしまうと、最後の合計が合いません。

新たに計上した未払消費税は、貸借対照表欄の貸方(負債)に記入します。財務諸表の作成問題でも、貸借対照表の流動負債に未払消費税として表示します。消費税は損益計算書には現れない点も確認しておきましょう。

表示のルール全体は財務諸表の作り方、解答手順は精算表の解き方もあわせてご確認ください。なお、同じ「未払○○」でも税金の種類が異なる法人税等とは別の勘定として扱います。

まとめ

預かった分と支払った分を分けて考える習慣がつけば、決算整理の仕訳は同じ形の繰り返しになります。数値を変えて何度か解き、手が止まらない状態にしていきましょう。

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