簿記3級|減価償却費の計算と仕訳をわかりやすく解説【定額法・月割り】
「減価償却の計算式は覚えたのに、期の途中で買った資産になると急に手が止まる」——簿記3級の第3問(決算整理)でよく聞く悩みです。
減価償却は、計算式・仕訳の形・月割りの3点を押さえれば、決算整理の中でも得点しやすい論点です。この記事では、定額法(ていがくほう)の計算から仕訳、期中取得の月割り計算までを例題つきで解説します。
減価償却とは
減価償却とは、建物や備品などの固定資産を使ううちに価値が減っていく分を、毎期の費用として計上する手続きです。買った年に全額を費用にするのではなく、使える年数(耐用年数)に分けて少しずつ費用にしていきます。
簿記3級では、毎期同じ金額を費用にする定額法で計算します。
定額法の計算式
1年分の減価償却費は、次の式で求めます。
- 減価償却費 =(取得原価 − 残存価額)÷ 耐用年数
残存価額(使い終わったときに残ると見積もる価値)は、近年の問題ではゼロとされることがほとんどです。その場合は「取得原価 ÷ 耐用年数」で計算できます。
例)建物の取得原価1,200,000円、耐用年数30年、残存価額ゼロの場合
- 1,200,000円 ÷ 30年 = 40,000円(1年分の減価償却費)
減価償却の仕訳(間接法)
簿記3級では、固定資産の金額を直接減らさず、減価償却累計額という勘定にまとめていく「間接法」で記帳します。先ほどの建物の例なら、決算で次の仕訳を行います。
- (借)減価償却費 40,000 /(貸)建物減価償却累計額 40,000
借方の「減価償却費」は費用なので損益計算書へ、貸方の「建物減価償却累計額」は資産のマイナスを表す評価勘定なので、貸借対照表では建物から差し引く形で示します。
期中取得は「月割り」で計算する
期の途中で取得した固定資産は、1年分をそのまま計上せず、使った月数だけを計上します。これが月割り計算です。
- 減価償却費 =(1年分の減価償却費)× 当期に使った月数 ÷ 12
例)備品の取得原価300,000円、耐用年数5年、残存価額ゼロ。当期の10月1日に取得し、決算日は3月31日の場合
- 1年分:300,000円 ÷ 5年 = 60,000円
- 使った月数:10月・11月・12月・1月・2月・3月 = 6か月
- 当期の減価償却費:60,000円 × 6か月 ÷ 12か月 = 30,000円
仕訳は次のとおりです。
- (借)減価償却費 30,000 /(貸)備品減価償却累計額 30,000
月数の数え方:取得した月と決算月の両方を含めて数えます。上の例では「10月から3月まで」で6か月です。「取得日から決算日まで」を月単位で数えると覚えておくと迷いません。
月割りの月数早見表
決算日が3月31日の会社で、期中に取得した場合の月数の例です。
| 取得した月 | 当期に使った月数 |
|---|---|
| 4月1日 | 12か月(1年分) |
| 7月1日 | 9か月 |
| 10月1日 | 6か月 |
| 1月1日 | 3か月 |
よくある間違い
- 月割りの計算を忘れる:期中取得なのに1年分(上の例なら60,000円)を計上してしまうミスです。問題文に取得日が書かれていたら、月割りを疑いましょう。
- 貸方の科目を間違える:間接法では貸方は「◯◯減価償却累計額」です。「備品」や「建物」を直接減らさないように注意します。
- 累計額を1年分と取り違える:減価償却累計額は過去の分も含めた合計です。当期に計上するのはあくまで「当期1年分(または月割り分)」だけです。
まとめ
- 定額法の1年分は「(取得原価 − 残存価額)÷ 耐用年数」で計算する
- 仕訳は間接法で「(借)減価償却費 /(貸)◯◯減価償却累計額」
- 期中取得は「1年分 × 使った月数 ÷ 12」で月割りする
計算式と仕訳の形を覚えたら、あとは取得日のある問題で月割りを繰り返し練習するのが定着の近道です。
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